吸血男子

 着々と儀式の準備が始まり、俺の後ろで不安そうにしてる美梨亜を見る。



「海斗君…大丈夫なの…?」

「心配ねぇよ」

「この儀式、代償はあるの?」

「親父の友達がなったことあるらしくて1週間全身筋肉痛だって(笑)」

「うっわ……」




 思わず顔をひきつらせる美梨亜。




 でもどこかほっとしてる様子だ。




 命には関係ねぇから安心してろよ。





 蝋燭がたくさん立てられた真ん中に立って背中に聖水をかける。




「うぇ…これすっげぇ気持ち悪い」

「そりゃあ…お前もモンスターだし聖水には弱いだろ。気張ってないとぶっ倒れんぞ」



 背中もぞくぞくするし、胸くそわりぃ。




 何より全身に力入れてないとヤバい気がする。







 …こりゃ筋肉痛にもなるわ。