吸血男子

 ギィっと重そうな音を鳴らしながら開いた氷の扉。



「うわ…もう空気が違う」





 その扉と繋がっていたのは森の中。





「悪魔の匂いがプンプンする…」

「これが悪魔の匂い…?」




 時哉君と陸君は楽しそうに匂いを嗅いでいる。





「行くぞ」



 迷わないように海斗君について行く。






『人間の匂いがするぞー』




 ガサガサと大きな音を立てて現れた数匹の悪魔。




「ゴブリンか」

『あれ。おかしいな…人間だと思ったのに。海斗さんたちじゃないか』

「俺らで悪かったな」




 普通にゴブリンと話す海斗君に時哉君はちょっとおびえてる。




「この悪魔は怖くないよ。悪魔って言うより妖精って言ったほうが近いかも」




 私がそういうと恐る恐る近づいていく。