「…ってぇ…」


 一瞬の出来事で美梨亜をかばうのに精いっぱい。




 俺は見事にクローゼットの角で頭を打った。




「あ、わり……」

「反省してねぇだろ!!」



 苦笑いの陸を見て少し安心する。




 暴走しなかったみたいだ。






「暴走しなかったのは美梨亜ちゃんのおかげみたいね」




 フフッと笑うと母さんは美梨亜の頭を撫でた。





「寝かせてあげて」

「あぁ」




 近くにあったソファに寝かせた。




「…にしてもすごいな陸君」



 親父が感心したように言う。



「なんでですか?」