「じゃあそろそろ始めようか」


 パッと立った海斗君のお父さんはリビングに大きな陣を光で描いた。





「ここを囲むようにモンスターは立って、陸君は真ん中の円のところに」

「はい」





 必要以上喋らない静かな空間。




「陸君、先に言っておく。この人数とこの魔力なら成功するのは間違いないが…本当にいいんだな?」

「勿論です」

「1度モンスターになると戻れなくなるし…何の属性か、何のモンスターになるかはわからない」

「はい」

「意識を手放してしまうと暴走する恐れがあるからそれは避けなさい」





 いくつか注意事項を言うと海斗君のお父さんは何やら聞いたこともない呪文を唱え始めた。




「海斗、美梨亜ちゃんが危険かもしれない。支えていなさい」




 隣にいた海斗君のお母さんが海斗君に言う。



「わかった」



 片手だけ私の背中に回ってきた。




「みんな!! 手に全魔力を集中させて陸君に向けて!!」



 私のママが叫ぶ。