吸血男子

「陸、ちょっと美梨亜見てて」

「あぁ…って熱いじゃねぇかよ……」




 美梨亜を誘導してベッドに行かせる陸をおいて部屋を出た。





「あ、もしもし? 母さん…?」

『あらー…珍しいわね。どうしたの』

「ちょっと話」

『へぇ。本当に珍しいわ。明日雪じゃない?』




 電話越しにクスクスと笑ってる母さんに変わりはなさそう。





 あんまり仲良くはない俺らだけど、一応家族だしな。






 いちばんは美梨亜だけど。





 俺は一通り話しをした。



『そう……。私もね、人間だったわ』

「覚悟いる感じ? やっぱり」

『そりゃあね…周りの人間よりずっと長く生きなきゃならないし、もし…パパと別れたら私は孤独にいきなきゃならないのよ』





 周りより生きなきゃならない。




 それは陸の場合なんてことないだろう。




 周りがみんなそうなんだから。