思わず隣を見る。僕らは何も言わずに見つめあう。神目薫の美しい髪は、光に当たって、きらきら光っている。僕はまた、見とれてしまった。その美しさは、恵美のそれとはまるで違う。同じように見えるけれど、たしかに違う。極端に違う。ブランドにそれぞれのランクがあるように、世界でも一握りしかいないトップクラスの選手たちが覇を争うように、二人は同じ土俵にいながら、それぞれ別次元の美しさを持っている。
「どうしたのよ」
神目薫が聞く。僕は視線を彼女の顔に戻し、言った。
「売春ですか。僕はてっきり万引き程度だと思っていました」
そこに嘘はなかった。
「どういうこと?」
「僕は東京なんて行ったことがないんですよ」
「え?」
「もちろん、あなたを見たのは今日が初めてです」
神目薫は何が何だかわからない顔をしている。僕はその顔が可笑しくて、思わず笑いだしそうになった。
「どういうことなの」
「今、言った通りですよ」
神目薫は事態を把握したようで、激昂しはじめた。
「信じられないわ。今までのは何だったのよ」
「僕の……直感ですかね」
「直感って……それだけ?冗談じゃないわよ」
「冗談じゃありません。大真面目です」
僕がそう言うと、神目薫は右手を振り上げて、僕の頬に向かって振り下ろした。僕はそれを左手で受けとめる。これ以上、顔を腫らされるわけにはいかない。
「何するのよ」
「こっちの台詞です」
「一発くらい、いいじゃない。私の人生がめちゃくちゃになっちゃったのよ」
「勘違いしないでください。僕はあなたのことを誰にも言うつもりはありません」
「どうしたのよ」
神目薫が聞く。僕は視線を彼女の顔に戻し、言った。
「売春ですか。僕はてっきり万引き程度だと思っていました」
そこに嘘はなかった。
「どういうこと?」
「僕は東京なんて行ったことがないんですよ」
「え?」
「もちろん、あなたを見たのは今日が初めてです」
神目薫は何が何だかわからない顔をしている。僕はその顔が可笑しくて、思わず笑いだしそうになった。
「どういうことなの」
「今、言った通りですよ」
神目薫は事態を把握したようで、激昂しはじめた。
「信じられないわ。今までのは何だったのよ」
「僕の……直感ですかね」
「直感って……それだけ?冗談じゃないわよ」
「冗談じゃありません。大真面目です」
僕がそう言うと、神目薫は右手を振り上げて、僕の頬に向かって振り下ろした。僕はそれを左手で受けとめる。これ以上、顔を腫らされるわけにはいかない。
「何するのよ」
「こっちの台詞です」
「一発くらい、いいじゃない。私の人生がめちゃくちゃになっちゃったのよ」
「勘違いしないでください。僕はあなたのことを誰にも言うつもりはありません」


