「た…助かりました」
開口一番あたしはそう言った。
それにしても、驚いた。
船に乗っていたのは、みんな外国人さん――この場合はあたしが外国人なのかな――だったから。
だけどぉ~…なんでそんなにジロジロ見るの?
「珍しいねぇ~。黒い髪と瞳なんて」
むさくるしい男たちの間からタオルが差し出される。
金髪碧眼の少年だった。
可愛い…。
「それどころかこの白い肌。こりゃぁ…マズいな」
かわってこちらは筋骨隆々としたむさくるしいおじさん。
先ほどの少年が隣りに並んでいるため、余計に暑苦しい。
…何がマズいの?