† † † † †

それに気付いたのはまだ見習いの船員だった。

「せんぱーい。何か海に浮いてますー」

先日、港で拾ったその少年は、金髪碧眼の完璧な容姿を持っている。
商売に使えると思った船長は、彼を乗船させた。

「海草の類じゃないか?」

少年と同じく、甲板掃除をしていた船員は顔も上げず、黙々と掃除をしながら、答える。

「そうかなー。海草に手があるのかなー」

そこで初めて船員は顔をあげた。

「どこだー?」

「あっちー」

少年が指差す方向には確かに何かがある。
そして宙につきだしている。