はっきりいって泣きたい気持ちだった。 でもこんなところで水分を無駄にはできないの! また、何か見つからないかとあたりを見回す。 …ん? わずかながらに黒い影。 よくよく見ると帆船のように見える。 それはゆっくりと大きくなってゆく。 ――しめた! こっちに近付いてきてるんだ! あたしは手足をばたつかせて船に大アピール。 「助けて!」