私は、期待されているから。



「3年2組、相川詩織」

パチパチとなる拍手の中、壇上を降りていく。

先生に礼をして、無愛想に翻し、自分の場所に戻って行った。


長い先生の話が終わり、ぞろぞろとホールから生徒がでていく。


「詩織ぃ〜、始業式から大変だねぇ」

「もう、真理ちゃんったら、人事なんだから」


私は、相川詩織。
中学3年生、つまり受験生。

今日から3学期で、始業式始まる寸前に原稿を渡され、壇上で読むはめになってしまった。