血の匂いに誘われてきたのだろう。
口を開け、よだれを垂らしながら杉山を凝視していた。
杉山は足元にあった小石を拾い、そぉっと立ち上がった。
そして、
まったく違う方向に小石を投げた。
木の葉っぱに当たり、ガサガサと音がたった。
もちろん狼は視線を音のした方向にそらした。
その瞬間に、杉山は狼とは逆方向に走りだした。
それに気付き、狼も追っかけてきた。
が、運悪く杉山は地面から少しだけ顔を出している木の根っこに足を捕られ転倒してしまった。
「うわぁぁぁ!くるなぁ!」
落ちていた枝を狼に投げつけたが、狼は物ともせず杉山に突進してきた。
とっさに手を伸ばし、狼の両前足をがっちり掴んだ。
狼が上に乗っかり、頭を上下に動かし喰らいつこうとしていた。
必死に耐える杉山。
目を横にやると昨日の死体が目に入った。
自分の姿が死体と重なった。
自分もああなる。
そう思った。
口を開け、よだれを垂らしながら杉山を凝視していた。
杉山は足元にあった小石を拾い、そぉっと立ち上がった。
そして、
まったく違う方向に小石を投げた。
木の葉っぱに当たり、ガサガサと音がたった。
もちろん狼は視線を音のした方向にそらした。
その瞬間に、杉山は狼とは逆方向に走りだした。
それに気付き、狼も追っかけてきた。
が、運悪く杉山は地面から少しだけ顔を出している木の根っこに足を捕られ転倒してしまった。
「うわぁぁぁ!くるなぁ!」
落ちていた枝を狼に投げつけたが、狼は物ともせず杉山に突進してきた。
とっさに手を伸ばし、狼の両前足をがっちり掴んだ。
狼が上に乗っかり、頭を上下に動かし喰らいつこうとしていた。
必死に耐える杉山。
目を横にやると昨日の死体が目に入った。
自分の姿が死体と重なった。
自分もああなる。
そう思った。


