杉山は不安で一杯になっていた。

車を下ろされ、飛行機に乗せられ、さらにヘリコプターにも乗せられた。

目隠し・ヘッドフォンをされたままの杉山も飛行機に乗ったのは感覚でわかった。

最後の乗り物を降りてから、誰かに引率され1時間くらい歩かされた。

やがて、動きが止まり、ヘッドフォンを外された。

「目隠しも外していいですよ。」

杉山は恐る恐る目隠しをとった。

いつのまにか杉山は部屋の中にいた。
壁は木でできている。よくキャンプで使うログハウスのような壁だった。

部屋の中はなにもなく、整然としていた。

「時期に担当者がきますので、担当者がくるまでに作業着に着替えておいてくださいね。」

見知らぬ男性に言われ、紙袋を手渡された。

「中に作業着が入っていますから。では、私はこれで…。」

見知らね男は部屋から出ていってしまった。

杉山は袋の中に手をいれ、作業着を取り出した。


「な、なんだこれ? これが作業着か?」

袋から取り出した作業着を広げ、杉山は呆然とした。



作業着といわれたものは迷彩服だった。