「何言ってるの?許すに決まってるじゃん。
ていうか、怒ってないよーん!」
当たり前だよ!謝りたいのはこっちだって!

「ね!魅里元気だせー!じゃあ私の家上がっていって!」
「いいの・・・?あたしなんかが入って。」

「当たり前だよ!早く上がって!じゃあ私の部屋で待ってて。お菓子持ってくるから。」
「う・・うん。お邪魔します。」

「はい、どうぞ。」


ただ外の鳥の音しか聞こえない、沈黙の時間が流れてゆく。

「あ・・・あのね。これ渡しておくから。」
これ・・・魅里が引っ越す場所だ・・・。なんだか本当に魅里と会えなくなるんだって思うと涙が出てきた。
「有美どうしたの?ごめんごめん!」
って頭をよしよしってさすってくれた。あっ。いつも通りの魅里だ!魅里はいつもなぐさめてくれるから。

「魅里・・・いつも通りの魅里だ!」
「有美・・・いつも通りの有美だ!」

いつの間にか二人から涙は消えていて笑顔に変わっていた。

よかった。二人の間は前よりももっともっと縮まったように思えたから。