…なにも起こらない


恐る恐る閉じていた瞳を開くとそこには黒い彼がいた


「ひぃ!?」


けど、よく見ると彼の手が私に差しだされていた


「え?」


「…早く立て」


「あ、はい」


彼の声を聞いて反射的に手を握ってしまった


「あ…」


軽々しく起こされ、唖然としてしまう


…それにすごく暖かい手…