やがて、木製の桶と柄杓を片手に
墓場まで案内させて貰った。

「ここで、ようござんすか?」
と言ったその先には

川田家代々の墓

と、寂れた苔を残しつつ
それでいて、しっかりと書き彫られていた。

「そうです。確かにここです」

住職は、ふふふ
とただ笑っているだけであった。

「何故、此処が
いとも簡単に分かったのですか?」
と聞くと

住職は、またもや薄笑いを一つ浮かべた。