「…それが真実なんですね…黄色のコードも同じように抜いて下さい。そして最後にその箱の蓋を開ければタイマーは止まります。それでは…さようなら。」

電話はここで切れた。
…勝ったのだ。
一人で笑みを浮かべながら最後のコードを抜き蓋を開ける。

タイマーは00:28で動かなくなった。
そして、それとほぼ同時に俺の体からも力が抜けた。

それは決して安堵などではなく、絶望に近い感情からのものだった。

箱の中に爆発物の類いなど一切入っていなかった。
入っていたのは一本のマイクと一枚の紙。
マイクのコードはラジオの放送で使うマイクと同じところに向かっていた。

呆然としながらも紙を開き読む。