「ねぇ、よかったら部屋上がってかない?」
「えっ?」
「せっかく来てくれたんだし、コーヒーの一杯ぐらいごちそうさせて?」
それにもっともっとお近づきにならないと。
凛子のことを忘れるぐらいに私のことでいっぱいになってもらわなきゃ…
「ね。都築くん。ぜひ上がっていってよ」
「…ああ。でも……」
「それとも、何かこの後予定でもあった?」
「いや、特にはないけど…」
「じゃあ――」
♪♪♪~
突然携帯が鳴リ響き、会話が中断させられる。
軽快なメロディー…
それはどう見ても都築くんの方からの着信で。
彼がハッとしたようにジーンズから携帯を取り出し耳に当てる。



