人のモノ…


次の日。あたしは大学を休んだ。


昼休み、都築くんから電話がかかってきたけれど、あえてそれはスルー。


これも計算通り。


だって、まだ悲劇のヒロインは続行中。


失恋のショックで立ち直れません。的なあからさまな行動をとることで、あたしはよりいっそう彼の気を引こうとしていた。




「あ、メール……」


それから夕日も落ちて。都築くんから今度はメールが届く。


あたしはふっと笑い、ベッドからゆっくり起き上がった。



『西條さん大丈夫?連絡ないから心配してる。…平気?また落ち着いたら連絡して?』



そんな内容に、にんまりと口元が上がる。