人のモノ…


「ねぇ。あなた」


「えっ」



あたしは俯いている彼女に向けてふふ。と笑顔を向けた。


そしてにんまりと優しく言葉を向けて



「あたしが言うのもなんだけど、あんな男と別れて正解だったと思うわ」


「へっ?」


「ていうより、あんな男のどこが良かったのよ」



昨日の達也とのセックスを思い出し、あたしは思わずため息をこぼす。


ちょっと優しくしたら、調子にのって口説いてきて。


「俺、上手いから」「きっと美華ちゃんを満足させてあげれると思うよ」


なんて大きいこと言いながら、いざ蓋を開ければ何てことない。



「久々にあんな退屈なセックス味わったわよ」


「えっ?」


「まるで子供。あんなに味気ないセックスなんて初めてだったわよ」