人のモノ…


「ごめ……っ、離してっ」



だけど、演技は続行中。


ここからが楽しい所なのに、絶対ミスなんてしないわよ。



「ちょっと落ち着けって!」


「やっ!お願い離して!!」



あたしは都築くんから視線を逸らし、掴まれた手を振り払おうとする。


だけど…



「西條さん!」



グイっと引き寄せられて、突然力強い腕の中に抱きとめられた。



「っ!?つづき……くん?」


「大丈夫だから、少し冷静になりなって!別に彼は追って来ないし、なにも西條さんが逃げることはないから!」


そうやって、あやす様に背中を撫でられて、あたしは泣きながらゆっくり顔を上げる。