人のモノ…



「ごめん、美華……」



そしてついに、計算通りの言葉がかけられて、待ってましたかのように、一歩彼の前に踏み出したあたし。



「酷い!ずっと騙してたの!?」


「…ごめん……」


「もしかして、その人が……好きなの?」


「…本当にごめん…。別に騙すつもりじゃなかったんだ。美華にはずっとちゃんと話さなきゃとは思ってたんだけど俺、この人が……」



“この人が好きなんだ”



ポロポロと涙をこぼすあたしを見て、彼は苦しそうにそう言った。


ううん。言ってくれた。


そしてシナリオ通り…




「美華、俺と別れてほしい……」




そう突き放した彼にあたしは感情のままに走りだした。


すべて思惑通り。完璧な演技をみせて。


あたしは都築くんから背を向けた。