人のモノ…


「嘘つき……」



すぐに状況を判断したあたしは、涙声でそう言った。(振りをした)


あからさまに顔を歪めて、おもいっきり声を張り上げる。



「酷い!騙したの!?今日は残業だって言ったじゃない!!」



隣の女に一瞬視線を向けて、キッと鋭い視線を向けた。


途端動揺する素振りを見せた彼に「その調子…」と思いながら


今一状況が掴めずビックリしている都築くんにあたしはふっと顔が緩みそうになってしまう。




「その人と…付き合ってるの?」



あたしは潤んだ顔をつくる。


目の前の彼から面白いぐらい切羽詰まった感が伝わってきたけれど、


視線を逸らし、絶妙な演技を作ってくれる彼にとても感謝したい気分だった。