「そういえばさ。その後彼とはどう?何か進展あった?」
そんな時、フォークを止めた都築くんが思い出したようにあたしに言った。
彼……とは、例の想像上のあたしの恋人のこと。
「あ……ええ。バッチリよ。っと言いたいところだけど実際は全然だめ……。
あれからね。何度か自分の気持ち話しそうとしたんだけど、ずっと仕事が忙しいって言われてゆっくり会えてないの」
顔を曇らせ、あたかも本当のことのように話しをつくる。
「もう……だめかも、ね?正直そんな気がするの。女の勘って言うやつなのかな?
きっともう彼はあたしなんかに興味がなくなっちゃったのよ」
ふっと痛みを堪えるように俯いた。
「他に好きな人でもできたんだわ……。じゃなきゃこんなに長くほったらかしなんてありえないでしょ?
ほら、本当に好きならどんなに忙しくても連絡くらいくれると思うし……」
きっとそうね。
なんていいながら、あたしはさりげなく席を立った。
溢れそうになる涙を隠し、そのままトイレに行こうとすると「西條さん……」と都築くんの心配そうな声が聞こえた。



