人のモノ…


それからのあたしはより近く、都築くん達と一緒にいるようになっていた。


大学ではほぼ3人でいる時間が増えて、グッと絆が深まっていく。




そして…


今日は待ちに待った木曜日の日。



「じゃあ…、悟行ってくるね。なるべく遅くならないようにするから……」



チラッとあたしの方を見て、微妙な顔を残す凛子。



「ああ。気を付けてな」


「凛子さん。お母さんを大事にね」



あたしはそう言いながらも、嬉しくてたまらない。


なんだって今日は週に一度のチャンスの日。


都築くんと2人っきりになれる特別な日なんだもの。



「凛子さん、大丈夫かしら?」


「そうだなぁ。きっと大丈夫だろう?最近じゃ自分で家事もできるようになってきたって言ってたし…」



そう。


会話の通り、凛子は母親の看病に行った。


それがここ毎週の凛子の行動だった。


毎週木曜日になると決まって母親に呼び出され、こんな風に実家に帰っていく。そんな姿にあたしはクスクスと喜びを隠せない。