人のモノ…


て言うか、当の本人はさっきから泣いてばかりね。


あたしの方も見ることもなく、俯いてばかり。



……ふっ。でもいいわねぇ。その態度。その表情。


全てあたしの思いの通りって感じ。


期待通りのことしてくれちゃって。



ふっ…



「何笑ってんだよっ!」


「別に」



あたしは笑いをこらえるように、表情に力を入れた。



そもそも最初っから、この女と達也が付き合ってたのは知ってたし。


この大学では美男美女って、ベストカップルで有名だったこの2人にわざとちょっかいかけたのはこのあたしだし。


だいたい、普段から人の目の前でイチャイチャされてうっとうしいったらなかったんだよね。


いかにも私達は相思相愛です。って見せつけられてるようで。


本当目ざわりったらなかったわよ。