人のモノ…


「? 西條、さん?」



突然弱々しい声を出したあたしに、すぐに都築くんは気がついた。


隣にいたあたしが2、3歩後ろにいたことにハッとして、歩くスピードをすぐにゆるめる。



「ど、どうかした?」


「………」



あたしは俯いたまま、気付かれないように口元だけをニヤリと動かした。



「あ、うん。ごめん……。都築くんと話してたら急に悲しくなっちゃって」


「え?」


「ち、違うの!都築くんが何したとかそういうのじゃなくて、ただ……」



言葉をためて、そっと顔を上げた。


そして今にも涙をこぼしそうな瞳で、彼を見つめて




「……実はね。本当のこと言うと、最近彼とうまくいってないの」