人のモノ…


それからは思いのほか楽しかった。


夕方の満員電車の中、あたしは「きゃっ」と、押されるふりをして都築くんの胸にしがみ付く。


そんなあたしにまた顔を赤らめた都築くんにやっぱりニヤリと顔が緩んじゃって。


電車を降り、あたしの家までの道のりを歩くころには、お互いすっかりいい感じの距離になっていた。


もちろん。これも計算通りなんだけれど。


まるで、面白いほどの変わりように、あたしはやっぱり楽しくてたまらなかった。



「ねぇ、都築くん達っていつから一緒に住んでるの?」


「え?ああ。確か半年ぐらい前からかな」


「へ~それって付き合い始めてからすぐってこと?」



確か付き合い出したのは1年前って言ってたわよね?


大学で、つい先日同じ学科の子達が噂してるの聞いたから…