何となくそれが引っかかってたのよね。
自分でもよく分からないんだけど。何となく…
「え?ああ…、あれはさ。今凛子のお母さんの調子があんまりよくないっていうか……。えっと、ほら?西條さんもさっき凛子から直接聞いただろ?」
「ええ。まぁ、そうだけど……何?お母さんってそんなに重い病気なの?」
「あー…うん。そうだね。あんまり詳しくは言えないけど、そんなとこかな?」
「ふ~ん」
なるほどね。っと頷きながら都築くんを見る。
だからあんなに難しい表情をしてたのねぇ。
妙に納得したあたしは同情の顔を無理矢理作る。
ま、でも。私には関係ないけどね。
凛子のお母さんがどうなろうがあたしには知ったことじゃないし。
むしろこの状況をつくってくれたことにとても感謝したいぐらいだもの。



