『もうすぐね。恋人の誕生日なの』 そう言って、嘘の作り話をしたのはほんの30分前。 少しでも警戒心を無くすため… あたしに恋人がいるって分かれば多少なりとも、今までみたいな境界線は薄れていくと思ったから。 ふふ。 作戦A実行ね… 「どうしよう。ねぇ、都築くんだったらどれを選ぶ?」 「うーん。そうだね……」 ほらね。やっぱりね。 思った通り。何の疑いもなく寄り添ってくる都築くん。 さっきの余所余所しい態度から一変。急に縮まってきた距離にあたしは今日2度目のガッツポーズ。