「じゃあ……、いこっか」


「ええ。都築くんちょっといい?少しお願いがあるんだけど?」



会計を済ませ、店を出るとあたしはすかさず後ろから都築くんを呼びとめた。


そう簡単に帰してたまるもんですか。


計算した笑顔でニコッと笑い、振り返った彼にさりげなく一言…



「じつはもう少しだけ付き合ってもらいたいところがあるんだけど……、いいかな?」


「えっ?」



ピタッと足を止め、申し訳なさそうに目を伏せたあたし。


そのままえ?っと戸惑う都築くんを連れて来たのは、ある有名なブランドショップ。


少し重いドアをくぐり、ゆっくり店内を見渡すと、背後からとても興味深そうな視線を受けた。