「あ、ごめんなさい。電話だわ」 そんなとき、凛子の鞄から着信の音が鳴り響き、会話がピタッと止まる。 「あ、お母さん?…うん、ええ。そうなの?」 すまなそうにごめんとジェスチャーをして、凛子がコソコソ話しだす。 何気に気を使ってトーンを落としているようだけど。 ……どうせなら席を外してくれないかしら? そんなにここから離れたくないの? そううんざり思いながら都築くんの方を見れば、やっぱり愛しい凛子に夢中なご様子。 電話する凛子をじっと見つめながら、少しだけ厳しい表情をしていた。