人のモノ…


しかもお金を払わなくていいんだもの。


3万円が自分のふところから出ていかなくてもいいって分かれば、普通の一般庶民ならそれこそ好都合ってものよ。



ふふ。
あ―楽しみにだわ。


明日はどんなふうに調理してやろうかしら。


いつになく期待で膨らむ胸を踊らせながら、あたしは、明日来ていく服をクローゼットの中から選び始めた。










―――…



「あ、都築くんごめんね!待った?」



そして当日。

いよいよゲームスタートの合図。


あたしは満面な笑顔を向けて手を振り、駅前に立つそのターゲットに嬉しそうに歩みよった。