いいターゲットみーつけた。
しかも向こうからやってきちゃって。
のこのこと、あたしにあっさり携帯番号まで教えてくれちゃってさ。
ふっ。これは都合がいいわ。
「じゃあ……、そういうことでまた連絡します」
「ええ」
「凛子行こう」
軽くお辞儀をして私から背を向けたイケメン。
ギュッと手を繋ぎ、カフェテリアを後にしていく2人にあたしはさわやかな笑みを向けた。
「本当、仲がいいこと……」
ポツリ、呟いた瞬間ふと凛子がこっちに視線を向けた。
そして軽く頭を下げてやんわりと目を細めてくる。
クス。
まるで警戒心ゼロね。
その姿にあたしはあえて何も答えず、背を向けて歩き出す。
「なんだか、楽しくなりそうな予感……」