人のモノ…


すると彼女がふと、あたしに視線を向けた。


セミロングのふんわりカール。


肩まであるピンクアッシュ系の髪が綺麗になびいている。



顔は……まあまあね。


くっきり二重に、真っ直ぐ整った鼻筋。


少しきつめの印象が存在感を引き立ててる様子。



まぁ、あたしには足元にもおよばないけれど…




「悟、弁償してあげなさいよ」


「ああ、分かってる。けど…今持ち合わせがさぁ……。てか凛子、お前今持……」


「持ってるわけないじゃない。……それ、悟が一番よく知ってるでしょ?」


「だよな」



そんな会話に、あたしは何気なく舌打ちをもらす。