「うわっ、マジすみません！てか、クリーニング……」
「してもきっと無駄だと思いますけど…」
「あ、じゃあ、弁償っ！えっとそれ、いくらぐらいでしたか？」
そう言って、あわあわと財布を取り出すイケメン。
その指先が意外にも自分好みの骨格で
「３万円」
「えっ！？」
あたしはそんな彼の姿を見つめながら、少しだけ声を緩くしてそう言葉を向けた。
「確かそれぐらいだったと思うけど？」
「あー…やべ。今ちょうどそんなに持ち合わせがなくて…」
「あら、そう」
それは残念ねぇ。
これ、買ったばかりでけっこう気にいってたんだけど…
