それを見た直後彼女の顔から血の気が消える。
ほんの少しの希望も失ったかのように、突然その場で泣き崩れ、狂ったように叫びだした。
「いやぁーーーっ!」
周りが騒然とする中、美華は頭を抱えながら泣きじゃくって暴れ出す。
それを冷静に対処する都築悟が無性に可笑しくて。
「助けてっ、誰か助けてよぉ!!」
悲痛な叫び。
まるでドラマのワンシーンでも見ているようだった。
「お願いっ、誰かぁ~~」
「――ふっ、西條美華も落ちたものね」
あたしは真顔になって、ポツリと吐く。
まるで精神異常そのものの姿に、哀れみの表情さえ浮かべたくなった。
恐怖に怯え、我を忘れ、都築悟に抱きかかえる姿を見つめながらあたしはふっと何事もなかったように再び歩き出した。



