人のモノ…


するとそこには見たこともないイケメンがいた。



あら。いい男……


その顔を見たあたしは、キッと睨んだ目元を少しだけ和らげる。



「ス、スミマセン!ちょっとよそ見してて!」


「………」


「うわっ、てか服!」



あたしの状態をみて顔を青ざめるイケメン。


そしてデニムのポケットからハンカチを取り出すと、素早くそれをあたしに手渡してくる。



「それ、シミになりますよね!?」


「でしょうね」



だってカシミアのカーディガン。


淡くピンクの色がそれは見事に悲惨な色に変わり果てている。