それぐらい今までの生活は地獄だった。
悟と出会ってからというもの生きてる感覚なんてまったくなかった。
まるで奴隷のような生活。
彼の顔色を覗い。
彼に言われた通りに動く。
何度も繰り返される暴力に毎日おびえながら、いつ殺されてもおかしくない状況にあたしの人生なんて終わったも同然だと思っていた。
……でも、そんな苦しみはもう終わった。
そう、全て終わったのだ。
あたしは自分の力で自分の人生をやり直すことに成功したのだった。
それがどんなに嬉しくて、感動に満ちたことか。
生きてるって素晴らしい。
それが例え汚いやり方だったとしても、あたしは後悔なんてない。
それもこれもあの女が勝手にムキになって自爆した結末なだけなこと。
あたしはただ、ほんの少しだけ彼女の完璧だったプライドに水を差してあげただけのことだ。
勝手に暴走したあの女が全て悪いのよ。
あたしはむしろ恋人を盗られた被害者だもの。
ううん。あたしだけじゃない。
今まで彼女によって泣かされてきた女の子達のためにもあたしが一肌脱いだって言っても過言ではない。