「や、なんで!?」
「――ってぇ、なぁ……」
背後からそんな声がして、ビクンと緊張がかけ上がる。
モゾモゾと起き上がる気配に、身の毛もよだつ恐怖を感じたあたしは
「どうして開かないよのよ!!?」
ベッドから下りる足音を背後で感じ、全身がブルブルと震えだす。
危険を感じ、ハッと後ろへと振り返ろうとすると
「っ、やってくれんじゃねーか」
グイっと手を掴まれたあたしはおもいっきりドアに体を叩きつけられた。
「っ――!」
「美華、今のはちょっとやりすぎなんじゃね?」
怒りを含む低い声。それは今ままで聞いたこのない冷めた声だった。
顔を歪めながら瞼を開けると、目の前にはひどい形相の彼が立っていて
一瞬にして背筋が凍りついた。



