ドカッ!!
と寝室に鈍い音が広がり、目の前の頭がベッドの端に投げ倒される。
「――――っ!」
その直後、うっすら血のようなものが飛び散り、あたしはあわあわとベッドから滑り下りた。
両手が驚くほどジンジンとした。
それは生まれて初めて人を殴った戸惑いと恐怖からの痛みだった。
だけどそんなことに気にかけてる余裕なんてない。
ベッドの端っこに投げ倒されて、頭を抱えながらうずくまる都築くんから逃げるように寝室のドアまで走り逃げたあたしは
!?
「なっ、開かないっ!!」
何度動かしてもびくともしない扉に、サーと全身の血の気が引いていく気がした。
焦りでドアノブを持つ手が小刻みに震え、全身が心臓になったかのように鼓動が強くなる。



