カチャン…
と右足の違和感が緩み、一気に足の負担がなくなった。
それを見たあたしはほんの少しだけ肩の力が抜け、ゆっくり顔を上げた。
「じゃあ、今度はこっちにしようか?」
だけど次の瞬間、そんな言葉が向けられて、あたしの両手首に冷たい感触がはしった。
え……
そしてそこに視線を向けたあたしは再び目を丸くして驚きの声を上げるはめになる。
「なっ……」
だってそこに見えたのはステンレス素材でできたシルバーのわっか。
よく刑事ドラマで出てくる犯人を捕まえる時の手錠と同じものが両手首にかけられているのが見えたから。
「うそ……」
冗談でしょ?
あたしは一瞬自分の目を疑い、そのまま信じられない気持ちで息を飲む。



