「西條美華!あなたこんなことずっと繰り返してたら、いつか必ず痛い目に遭うから」


「え?」


「可哀そう。きっとこの先ろくな人生なんて歩めないわね」



そう最後に言い捨てて、早足で遠ざかって行く彼女にあたしは眉を寄せる。


そしていつの間にかできていたうっとおしいギャラリー。


気付くと周りから何事かと好奇の視線を向けられていたけれど




「ふ~ん。所詮ただの負け惜しみね」



そんな中、あたしは冷静に前髪をかき上げ、歩き出した。


うるさいギャラリーを無視して颯爽と背筋を伸ばしては、優雅に歩く。



まったく、くだらない。


負け犬の遠吠えも良いとこね。



ていうより、恨むんなら自分の親を恨みなさいよ。


低レベルな環境に産まれ育った自分自信を恨みなさいよ。


いくらあたしの魅力に敵わないからって、その度にぎゃあぎゃあ言われちゃあ、たまったもんじゃないのよ。




本当、バカバカしい……