人のモノ…


その瞬間風がビュウーっと体を駆け抜けた。
力なく息を整えたあたしは、そんな風にさえビクッとなり、全身に鳥肌がたった。



「…ふ…はは……」


そして乾いた声が口から漏れる。

やって、くれるじゃない。

凛子の、くせに…

あんないけしゃあしゃあと、ふざけるにもほどがあるわ。

このあたしを誰だと思ってるの?

あたしは西條美華、なのよ。誰もがうらやむ西條美華なんだから!


あんな脅し…

そ、うよ。あんな脅しなんて信じない。

全部はったりよ。

あたしを惑わす為の暴言にすぎないんだから!

危ない……、危うくあの女の勢いにまんまとのまれるところだった。

あたしとしたことが、一瞬でもあんな女に恐怖を感じちゃうなんて一生の不覚。


もっと強気でいかないと…