「あたし、やられっぱなしは好きじゃないの」
「っ!!」
「やられたらやり返す。これ基本でしょ?」
クスリ。あたしは鼻で笑って言い返す。
ったく…。何度も何度も同じことしてんじゃないわよ。
せっかく綺麗に塗ったファンデが崩れるじゃない。
「ほんっとう、不愉快だわ!」
「もう、いい。……里香行こう!」
お互い睨みを利かした末、結局彼女が悔しそうに背を向けた。
そしてそれを見た金髪の女が慌てて引き留めようとしたけれど
「里香もうやめよう。この人に何言っても無駄だから!」
そう吐き捨てて、もう一度私の方へと振り返る。