「観念しなさい。あなたはもう逃げられないわ」
グイっと胸元を引っ張られて、うっと喉を詰まらせたあたし。
「あなたはもう悟から絶対に逃げられない。この先今まで味わったことのない地獄に突き落とされるのよ!」
憎しみに満ちた声なんて生まれてはじめて聞いた気がした。そんなあたしの動揺を面白がるように凛子にが胸元をきつく締め上げてくる。
ドクン――
やばい…
はじめて同性相手に恐怖を感じた。
だって目の前の凛子の表情はもはや普通じゃない。
本気で感情をなくした人形のように、あたしを真っすぐ無表情に突き刺してくる。
「だから言ったでしょ?人のモノに手を出したって何もいいことなんかないんだって」
「っ――!」
「あの時、ちゃんと忠告したわよね?
それを無視して勝手に行動したのはあなた。
あいつのことをよく知りもしないで面白半分でちょっかいかけたあなたがすべて悪いのよ。自業自得――。自分で選んだ結末なんだからもう諦めてこの際ゆーっくりと存分に真の恐怖を味わえばいいんだわ」
ドンッ!!
勢いよく手が離されて、思わずその場に崩れ落ちてしまったあたし。
ゴホゴホッ…
言葉に詰まり、涙交じりの瞳で凛子を顔を見上げた。



