「だってあなた、人の男を取る天才なんでしょ?」
「な……」
「人の男を寝取るスペシャリストなのよね?」
ドクン…
思わず心臓が飛び跳ねた。
だって、顔を上げた凛子の顔……。恐ろしく冷酷に歪んでる。
「あなたならきっと悟を誘惑してくれるって思ったわ。そしてあたしからあの男を奪ってくれるんじゃないかってね」
「っ!ひど……」
「ひどい?それはあなたのことでしょ?今まで散々やりたい放題男をたぶらかしてきて、いったいどれだけの人を泣かせてきたと思ってるの!?」
「!?」
「言っとくけど、警察に逃げても無駄よ。だって彼の父親は警察庁長官だもの。
彼が起こした傷害なんてあっという間に裏でもみ消されるわ。
そして彼は何の罰も与えられず、何もなかったように戻ってくる。
どこに逃げたって彼は追いかけてくるわ。あいつの地獄のムチはエンドレスに続くのよ」
鋭い爪がギリギリと手首に食い込み、思わず顔を歪めたあたし。
サーッと体温が冷めて、体中にいやな汗がにじみ出た。



