えっ…
「ケガって……」
「悟の隙を見計らってあたしが母に電話で助けを求めたの。そしたら母はすぐに駆け付けてくれた。……でも、ダメだった。
見つかった悟に階段から勢いよく突き落とされたわ!」
「―――」
うそ……
本当に?
「それ、本気でいってるの?」
「当たり前でしょ!あたしだってこんなこと何度も嘘であってほしいと思ったわ!これが夢ならどんなにいいかって…。
…でも、これが現実なのよ。そのせいで元気だけが取り柄だった母が一気にふさぎ込むようになってしまって……」
俯いた凛子が声を曇らせる。
その時の状況を思い出したのか、一瞬沈んだように肩を震わせて、そして感情のこもらない声でぼそりと言った。
「このままじゃ殺されると思ったわ」
「えっ」
「いつかあたしはあの男に殺される。そんな恐怖にかられるようになったの。だからあたしは必死で考えた。死に物狂いで彼から逃れられる方法を……」
あ……
「だから、あたしを…利用、したの?」
「そうよ。そんな時あなたを見つけたの。これはチャンスだと思った。使えると思ったわ」



