人のモノ…


え……?

笑い、声?

その時、なぜか響いたのは狂ったような笑い声…


「はは。あはははは……やった。やったわ!やっとよ!やっと…、やっと解放される!ついにあの男から解放されるんだわ!!」


次の瞬間彼女の態度ががらりと変わった。

顔を上げた凛子の顔…。まさか……、涙の一粒も流れてはいない。

むしろその逆。まるで吹っ切れたように笑い飛ばし、勝利を確信したかのようにあたしに近づいた。


「西條美華、あなた最高よ!よくやってくれたわ!素晴らしいわ!本当最高よ!!」


肩を掴まれ、なぜか興奮気味に感謝された。

今にも抱きつかれそうな勢いに、圧倒され、そして引きつった顔を向けたあたしは


「ああ…もう、何て言ったらいいのかしら!」
「ちょ……」


――何?

何が起きたのか分からなかった。

まさか、気でもおかしくなったの?

あまりのショックで正常な判断ができなくなったんじゃ…


「――あなた、大丈……」

「まさか、こんなにうまくいくとは思ってなかったわ」

「えっ……」

「こんな計算通りにいくとは思わなかった」


ガバッと抱きつかれ、あたしはビックリして言葉を失った。