彼と一つになりたい。

深く愛し合いたい。

もう、引き返せないーー



「お願い、帰らないでっ」


目の前の首にしがみ付き、切ない声を上げた。


「帰したくない。このままあたしと一緒にいて?凛子さんの所には帰らないで!」

「美華……」


再び唇が重なり合って、少しの隙間も惜しむようにきつく抱きしめ合った。

そしてもつれるように移動して、ベッドに流れ込んだ瞬間


「本当に、いいの?もう嫌だって言っても止められないけど」


そう言いながらも荒々しくあたしの服を脱がしていく都築くんに胸の高鳴りがピークを迎える。あたしも躊躇することなくそんな彼の服をはぎ取り甘い視線を向けた。


「いいの。抱いて?このまま都築くんと一つになりたい。お願い、遠慮なんかしないで!おもいっきり揺さぶって!」


そしてまた熱く口づけあった。

むさぼるようにキスを交わし、情熱的な愛撫を繰り返す。

ギラつく彼の瞳に脳天が痺れ、今まで感じたことのない甘ったる声を上げた。


「好き……」

「俺も、だよ…。ああ、夢みたいだ。こんな風な日がくるなんて思ってもみなかった。美華……、ずっとこの名前で呼んで抱きしめたかった。
もう、離さない。美華はこの先永遠に俺のモノだから」

「ええ、離さないで。私は都築くんのモノよ。もうずっとずっとあなたがいればいい…お願い、もっと強く…」


そして荒々しく一つになった瞬間、あたしは最高の喜びを手に入れた。

勝利に満ちた幸福感。



『勝った…』



脳裏に浮かんだ最高の言葉。

ついにあたしは凛子に勝ったのよ。

その時、勝利の女神があたしに最高の表情で微笑んだ気がした。