やっと言えた。
このセリフ。
あたしは心の中で満面の笑みを浮かべる。
この言葉を言うまでに今までどれだけやきもきした気持ちを持て余してきただろう。
でも、それもこれで終わり。
ついにクライマックスの時がきたんだわ。
「本当のこと言うとね。あたしもずっと格闘してたの。自分の気持ちと、日に日に大好きになっていく都築くんを見るたび泣きそうでたまらなかった」
「―――」
「だって都築くんには凛子さんがいる。あたしの入る隙なんてこれっぽっちもないことぐらいこの目で2人の仲の良さを見てちゃんと分かってたから…」
また、一粒涙が零れ落ちた。
ああ、今すぐにでも目の前の胸に飛び込んでしまいたい。
それぐらい自分の感情が膨らんでいくのが分かる。
無言になったままあたしを見つめる都築くがとても愛おしい。
愛しすぎて
もう、演技だとか計算だとかそんなの関係なしで彼の胸に飛び込んでしまいたい。



